東京には空がないという・・・

彼女の生前、私は自分の製作した彫刻を何人より先に彼女に見せた。一日の製作の終わりにも其れを彼女と一緒に検討する事が此上もない喜であった。又、彼女はそれを全幅的に受け入れ、理解し、熱愛した。私の作った木彫小品を彼女は懐に入れて街を歩いてまで愛撫した。彼女のいないこの世で誰が私の彫刻をそのように子供のように受け入れてくれるであろうか。もう見せる人も居やしないという思いが私を幾個月か悩ました。美に関する製作は公式の理念や、壮大な民族意識というようなものだけでは決して生まれない。そういうものは或いは製作の主題となり、或いは動機となる事はあっても、その製作が心の底から生まれ出て、生きた血を持つに至るには、必ずそこに大きな愛のやりとりがいる。それは神の愛である事もあろう。大君の愛である事もあろう。また実に一人の女性の底抜けの純愛である事があるのである。自分の作ったものを熱愛の眼を以て見てくれる一人の女性があるという事ほど、美術家にとって力となるものはない。作りたいものを必ず作り上げる潜力となるものはない。製作の結果は或は万人の為のものともなることがあろう。けれども製作するものの心はその一人の人に見て貰いたいだけで既にいっぱいなのが常である。私はそういう人を妻の智恵子に持っていた。

そう思いながらこの高層ビルを作った人がいるのかな?
東京ってエネルギッシュでした。
日本の中心なるほどね。
NYにも行きたくなった。
そしてこの文章にピンっときて理解してくれた方、私といっぱいおしゃべりしましょ(笑)